平井有太
『ビオクラシー』~ BIOCRACY ~


キュレーター:Chim↑Pom

会期: 2016年11月22日(火)-12月24日(土)
オープン:15:00-20:00
オープニングパーティー:2016年11月22日(火)18:00-22:00
21:00よりトーク:康芳夫×平井有太
※毎週月曜日、12月2日(金)~12/4(日)休み
助成 公益財団法人テルモ生命科学芸術財団


イベント情報

※展覧会最終日のクリスマス・イヴのトークイベント
康さんに続きスペシャルゲストが決定!!!!!
作家で宗教学者の島田裕巳さん!!!!!
聖なるクリスマスイヴに宗教の話!!!!!

★12/24(土) 15時~
「国際暗黒クリスマス・イヴ
~神道とPL、大本、オウムの宗教者たち」
鼎談:康芳夫×スペシャルゲスト 島田 裕巳 ×平井有太
入場料:千円
(福島県喜多方市に寛政2年(1790)から続く大和川酒造店より、振る舞い酒付き)


島田 裕巳 (しまだ・ひろみ)
作家、宗教学者。
http://shimadahiromi.com/profile/

康芳夫(こう・よしお)
虚業家。伝説のプロデューサー。
1937年東京西神田で、駐日中国大使侍医の中国人父と日本人母の次男として誕生する。東京大学卒業後、興行師神彰の元で大物ジャズメン(ソニー・ロリンズ)などの呼び屋として活躍。その後独立、三島由紀夫が通いつめた「アラビア大魔法団」、「インディ500マイルレース」などを呼ぶ。また、ライフワークとしての、『家畜人ヤプー』プロデュース、ネッシー捕獲探検隊結成、モハメッド・アリ戦の興行、かのオリバー君招聘、アリ対猪木戦のフィクサーなどをこなし、メディアの風雲児として、また、あらたなフィールドとしてTVドラマ『ディアスポリス 異邦警察』及び映画『ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-』http://www.dias-police.jp/ にて裏都知事コテツ役で出演し怪優として活躍を続けている。新刊、康芳夫 監修『虚人と巨人』も映画公開と同時期に発売(辰巳出版)した。



★12/17(土) 18:00~
「ビオクラシーの可能性(仮)」
出演:
西谷修(フランス哲学/立教大学)
おしどりマコ・ケン(ジャーナリスト/お笑い芸人)
平井有太

入場料:千円
(福島県喜多方市に寛政2年(1790)から続く大和川酒造店より、振る舞い酒付き)


西谷修プロフィール
1950年、愛知県(北設楽郡)生まれ。
現職:立教大学文学研究科特任教授
バタイユ、ブランショなど20世紀フランス思想の研究をベースに、戦争論、世界史論、共同体論、医療思想などグローバル化世界の諸課題を広く論じる。
著書に、『アメリカ、異形の制度空間』(講談社メチエ)『夜の鼓動にふれる――戦争論講義』(ちくま文庫)、『戦争とは何だろうか』(ちくまプリマー新書)『〈テロル〉との戦争』(以文社)、『破局のプリズム』(ぷねうま舎)など。『自発的隷従論』(ちくま文庫)の監修も。「立憲デモクラシーの会」呼びかけ人。

おしどりマコ・ケンプロフィール
マコとケンの夫婦コンビ。横山ホットブラザーズ、横山マコトの弟子。
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。社団法人漫才協会会員。
認定NPO法人沖縄・球美の里理事。
フォトジャーナリズム誌「DAYS JAPAN」の編集委員。
ケンは大阪生まれ、パントマイムや針金やテルミンをあやつる。
パントマイムダンサーとしてヨーロッパの劇場をまわる。
マコと出会い、ぞっこんになり、芸人に。
マコは神戸生まれ、鳥取大学医学部生命科学科を中退し、東西屋ちんどん通信社に入門。
アコーディオン流しを経て芸人に。
東京電力福島第一原子力発電所事故(東日本 大震災)後、
随時行われている東京電力の記者会見、様々な省庁、
地方自治体の会見、議会・検討会・学会・シンポジウムを取材。
また現地にも頻繁に足を運び取材し、その模様を様々な媒体で公開している。

★12/18(日)
15:00~
永山愛樹(TURTLE ISLAND)ライブ

16:00~
「ヒップホップ・アーカイブ
~平井有太、ビオクラシーまでの歩み(仮)」
出演者:
SHINCO(スチャダラパー)
Side Core
平井有太
入場料:千円
(福島県喜多方市に寛政2年(1790)から続く大和川酒造店より、振る舞い酒付き)


永山愛樹プロフィール
国内外で活動する極東八百万楽隊、純東洋産ズンドコパンクオーケストラ、TURTLE ISLANDの船長で唄い手。ソロではタートルアイランドの楽曲のアコースティックからアナザーサイドな楽曲、日本、韓国などの民謡まで様々な唄を独自に唄う。橋の下世界音楽祭主宰。そして、地元豊田市駅前に古民家2Fを仲間らで改装し今年7月から開いた橋の下文化センター「橋ノ下舎」設立。事務所兼、アコースティックライブ、民謡教室、親子リズム教室など様々なワークショップ、ギャラリー、お座敷映画館など日により形を変えるフリースペース、コミュニティセンターとしてマイペースに実験運航中。

SHINCOプロフィール
スチャダラパーのDJとしての活動を中心に、様々なアーティストのプロデュース、REMIX、映画、テレビドラマへの楽曲提供など幅広い活動を展開中。DJとしても数多くのイベントに出演している。 グループとしては2010年にデビュー20周年を迎え、以降毎年、日比谷野外大音楽堂でイベント『LBまつり』を開催、2015年にアルバム「1212」をリリース。 本年は、新たな“マイブーム”としてみうらじゅん氏が数年前から世に提唱している「シンスブーム」を、氏とのコラボにより楽曲化。「君のSince」と題して、11月18日にiTunes StoreおよびAppleMusic、11月23日にその他の配信サイトでリリースされている。

会場:Garter @キタコレビル166-0002 東京都杉並区高円寺北3-4-13
info.chimpom@gmail.com
入場料:投げ銭制

協賛 adidas Originals、TERUMO、大和川酒造店、みんな電力
展示制作 Side Core




この度Chim↑PomはGarterにて、平井有太の個展『ビオクラシー』~BIOCRACY~をキュレーションいたします。

平井有太は、1975年東京生まれ。ヒップホップとアートに影響を受けて、ニューヨークのSchool of Visual Arts卒業後、2001年に帰国。実技主席での卒業であったにも関わらず、日米のアートシーンと当時の自分の表現に疑問を持ち、05年にアパレルブランドMACKDADDYと開催した個展『FROM HERE TO FAME』以降、美術作家としての活動を停止。以降、「有太マン」名義でのフリーライター業務を活動の軸としました。平井はこれまでに、アントニオ・ネグリ(哲学者)やダニエル・コーン=ベンディット(欧州緑の党・議長)、ホセ“ペペ”ムヒカ(ウルグアイ前大統領)、糸井“ダダカン”貫二(前衛美術家)、アフリカ・バンバータ(ミュージシャン)など、その好奇心の広さと突撃取材も辞さない行動力で、多くの貴重なインタビューを残してきました。また、伝説のプロデューサー・康芳夫が各界著名人と対談し、語りおろした言葉を記録した著作『虚人と巨人』(辰巳出版、2016)や、STUDIOVOICEでのグラフィティ特集の監修(2005)、リラックスやスペクテイターでの9.11直後のNY特集の監修(2001、2002)など、著者・編集者としても独自の活動を展開してきました。2012年からは福島県に移住。「人生初めての就職」として、農協×生協×福島大学による「土壌スクリーニング・プロジェクト」事務局に着任。原発事故後の福島県の取材に専念(2012、15、16年「3.11」週刊文春グラビア特集など)しながら、農地の放射線量を測り続けました。更に、2015年には突如福島市議選に出馬。落選はしたものの、それら福島での活動は著作『福島 未来を切り拓く』(SEEDS出版、2015)にまとめられました。

このように平井の活動は多岐に渡りますが、それらは一方で、通常のライターや政治活動家とは一線を画し、「人生はアートだ」という自身の芸術的志向性に一貫したものです。言い方を変えればそれは逆に、通常の美術作家とは異なるアプローチで行われた、ゼロ年代日本におけるひとつの「社会彫刻の実践」と言えるかもしれません。



本展のタイトル『BIOCRACY(ビオクラシー)』は、そんな平井の集大成ともいえる同名の著作(SEEDS出版、2016)からきています。政治家や文化人、活性家から2011年3月11日生まれの子供たちまで、総勢36名にも及ぶインタビューからなる本著は、それらを通し、3.11以降の社会を抜本的に問い直す内容となっています。それを象徴する一言として、また、平井は自ら福島の自然と向き合ってきた中で得た姿勢として、「『BIO』とは『生』であり、『‐CRACY』は『支配』や『政治体制』を意味する。つまり『ビオクラシー』は、そのまま訳せば『生命主義』。それは、命より経済を重んじて戦争の原因にもなる資本主義はもちろん、現状の『デモクラシー』=『民主主義』の先にあるものだ。そもそも、人間などは地球上であらゆる生命と共存させていただいているのに、『民』が『主』とは、どれだけおこがましい態度なのか。」と述べています。

また平井は、それら人々との関わりや会話、インタビュー自体を、『socialscape(ソーシャルスケープ)』と名付け(語源は景観や環境を意味するランドスケープや、生活の中のあらゆる音を指すサウンドスケープ)、社会活動におけるひとつの実践手段と位置づけてます。本展の作品群も同様に「全ては再生/持続可能」、「生活が前衛」という展覧会のテーマのもと、エネルギー、神道、廃棄物、ファッション、音楽、前衛芸術、農業、技術革新、会社、ストリートカルチャー……など、多くの実践者とのコラボレーションや関わりの中で制作されました。



再生可能エネルギーの生産者と消費者を、顔が見える形で結びつける電力会社「みんな電力」。会場の「電力ネーミングライツ(世界初!)」を購入(コレクション)したアディダス。ローカル発電会社・会津電力を主催する老舗酒蔵。ボブ・マーリーのプロデューサーでもあるレゲエの生ける伝説、リー・ペリー。伝説の前衛芸術家、ダダカン。廃バッテリーを再生する研究に没頭する東大阪のおじさん。北米西海岸現地で、合法的に大麻がどう社会貢献しているか語る面々。展示制作を行うキュレーション集団・サイドコア……など、その顔ぶれはバラエティにとんだ実にユニークなものであり、登場人物の多さから、はたしてこれらの展示物は誰の作品なのか、平井の個展なのかキュレーション展なのか……など、美術への既成概念を問うものになるでしょう。

しかしそもそもインタビュアーとして培ってきた他人への興味に基づく「ソーシャルスケープ」は、ライター活動も選挙活動も人生を彩る社会活動は全て「アート」と捉えて生きてきた平井にとっての、実は最もベーシックな芸術手段であり、にも関わらずその活動とアートシーンがこれまで接点を持ってこなかった時点で、平井はすでに「アートとは何か」という問いを投げ続けてきたとも言えるのではないでしょうか。

アートを人生に拡張し、あらゆる現場や人々との関わりから現代社会を描き出してきた平井有太。福島を通じて「民」から「命」へと歩み出す人々の実践の数々に、「ビオクラシー」の一歩を宣言する。

2016 Chim↑Pom



プレスリリースはこちらになります。

2020年版宣言はこちらはこちらになります。

Garter


GarterはChim↑PomとGarterが高円寺で2015年から運営しているアーティストランスペース。いつ取り壊されてもおかしくないボロいビルにて不定期で開催される、Chim↑Pomキュレーションによる展覧会。アナーキックなアーティストによるエクストリームな展示がメインだが、近所にクレイジーなクレーマーが多いこともありいつまで存続できるかは全くの謎。

アクセス

東京都杉並区高円寺北3-4-13 キタコレビル内


地図



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