ワンナイトイベント情報に追加アーティスト掲載!
Chim↑Pomによる2週間限定のレストラン
「にんげんレストラン」が
歌舞伎町にオープン!
2014年の新宿路上で行われたエリイのウェディングデモ「Love is over 」、2016年の旧歌舞伎町振興組合ビルの取り壊しに伴い開催された個展「また明日も観てくれるかな?」展、それらに続くChim↑Pomの歌舞伎町を舞台にしたプロジェクト第3弾が2週間限定で開催!
Chim↑Pomエリイの夫でもある手塚マキが会長を務めるSmappa! Group。彼らが一棟丸ごと借りているのが、通称歌舞伎町ブックセンタービルだ。歌舞伎町の最も猥雑な場所に位置し、一階にはホストが接客をする本屋「歌舞伎町ブックセンター」やカフェが入る。この秋ロボットレストランなどを運営する新宿ソフトの買取により、このビルは建て壊しが決まった。
「にんげんレストラン」はこのビルの最後のイベントとして開催される。Chim↑Pomならではな案が盛り込まれたレストランの営業中には、気鋭のアーティストらによる、主に身体表現やアンプラグド(電池や発電機などを除く)など人間の存在を強く意識させるパフォーマンスやワンナイトイベントなども行われる。常設の生体展示や数々のライブイベントにより、イベントはレストランの枠を超えてフェスの様相を呈す。
会場 | : | 旧歌舞伎町ブックセンタービル3フロア |
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会期 | : | 2018/10/14~10/28 |
レセプション | : | 2018/10/13(招待制) |
営業時間 | : | PM2:00~PM9:00 (19 日、20 日は、PM2:00~PM16:00 夜はワンナイトイベント開催) |
主催 | : | Smappa! Group、Chim↑Pom studio |
連絡先 | : | info.chimpom@gmail.com (担当: Chim↑Pom studio中村) |
キュレーター | : | 古藤寛也(外道ノススメ)、涌井智仁、Chim↑Pom |
内装 | : | Chim↑Pom×西村健太 |
作品提供協力 | : | ANOMALY |
協力 | : | 無人島プロダクション、ANOMALY |
屋根(3階の天井)、3階のフロア(2階の天井)、2階のフロア(1階の天井)に2m〜3m大の穴を開け、屋内だが青空レストランとなる吹き抜けを作る(雨天も営業)。一階にはその穴を通して外光を取り入れ、昼は青空レストラン、夜は歌舞伎町のネオンの差し込みによる照明で飲むバーとなる。
死刑囚が刑執行前の最後の食事を選べる「Last meal(最後の食事)」より、一般公開されている実際に出されたメニューの提供や、西尾康之制作による、即身仏を目指して痩せ細ったChim↑Pom稲岡をモチーフにした仏像「稲岡展示居士」や、60年代ウィーン・アクショニストを代表するリビング・レジェンドであるヘルマン・ニッチによる展示など、Chim↑Pomによるいくつかの仕掛けを施されたレストラン。
イベントは以下のコンテンツにより構成される。
KILLER-BONG|山川冬樹|カイライバンチ |切腹ピストルズ|ミラクルひかる|康芳夫|平井有太マン| jan and naomi | 関優花| 加藤翼(+和田晋侍+Jeremy Woolsy+平野由香里) | 松村宗亮 | 伊東宣明 | 会田誠 | 松田修 | 三野新 | Aokid | Smappa!Group | 電撃ネットワーク[若手班] | 西尾康之 | ヘルマン・ニッチ | 篠崎裕美子 | contact Gonzo | MEGANE | 涌井智仁 | and more!!!!!
本イベントのタイトルは、Smappa! Groupが今年実際に開店した新店舗「人間レストラン」から採用されている。「人間レストラン」は、今回の会場となる歌舞伎町ブックセンタービルの明け渡しに伴って、Smappa! Groupが新宿ソフトより借り受けた、ロボットレストランのネオンで酒を飲んだり、夜中にご飯が食べれたりする落ち着いた雰囲気のバーだ。
Chim↑Pomはこの一連の流れに着目し、これを解体されるビルへの最後のアプローチ/ショウとして、当の歌舞伎町ブックセンタービルで「にんげんレストラン」を開催することを決めた。
聞くところによると、新宿ソフトは歌舞伎町の様々なビルや土地を買い取っているらしい。ロボットレストランは今や歌舞伎町はおろか、日本を代表する観光名所の1つになった。当のエリイと手塚マキが初めて出会ったのも、ロボットレストランだった。
今後、新宿ソフトによる歌舞伎町の再開発がどのようなものになるかは定かではないが、歌舞伎町振興組合や東急による「表の顔としての再開発」とともに、歌舞伎町の姿を一大エンタメ都市として一変させる原動力になるかもしれない。
歌舞伎町には今年の秋には、近未来をデザインコンセプトにした大型クラブもオープン。ロボットレストランや東宝ビルのゴジラ像とともに、これらが歌舞伎町の今後の大きな流れとなるのは間違いないだろう。この資本とエンターテイメントによる動向は、いま歌舞伎町をはじめ日本の都市の隅々にまで伝播し、更にはアートや文化にも浸透しつつある。良くも悪くも、この数年でテーマパーク的な催しやクラブイベントはアートの活動としてもデフォルトとなった(資本としてはDIYだったが、2016年のChim↑Pom個展「また明日も観てくれるかな?」もその文脈のひとつだろう)
そもそも今の歌舞伎町の再開発の歴史は、戦後の焼け野原と闇市の整理からスタートしている。露店や人々がひしめき合い、独自のルールや再開発とともに街が形成され、性風俗や肉体、欲望といったフィジカルを、武器や消費として使うことで人々は様々にサバイブしてきた。
歌舞伎町に関わらず、いまや都市はどこでも「テーマがセレクトされた公共」空間としてデザインされている。公園は民営化が進み、かつてそこにいたテキ屋などいかがわしい人々やホームレスたちは姿を消しつつある。「公共」の名の下に、しかしそこにいる人々は選抜されている。
「まずは人間が様々にいて、だから公共が必要なのか」それとも「公共がまずあって、そこに人々が必要とされるのか」。戦後から続く東京の都市論は、日本の社会論としても大きなタームに差し掛かっている。
インフラも何も無かった焼け野原に身体だけがあった時代、そして延々と続く人間の消費ーーその始まりの瞬間や歴史を再開発の狭間である2018年から再考する青空レストラン。「にんげんレストラン」は、2週間のみショウとして営業されたのち、通常の飲食店「人間レストラン」へと引き継がれていく。
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2丁目28−14
※本家「人間レストランNNGN」とは住所が異なります。https://nngn.jp/